【新たなワクチン】ノババッグスワクチンが承認されたので調べてみた

2022年4月19日、厚生省が今回新たに米バイオテクノロジー企業ノババックスが開発した新型コロナウイルスワクチンを正式に承認しました。今回のノババッグスを加えると、国内で使える4種類目の新型コロナワクチンとなります。

このノババッグスについてまだまだ知識不足なので、調べてみました。

ノババグッスワクチンについて

今回承認されたノババッグスワクチンなのですが、厚生労働省が、2022年初頭に約1年で1億5,000万回分の供給を受ける契約を武田製薬工業と契約を締結したそうです。

では、このタイミングで承認されたということもあり、ファイザーワクチンやモデルナワクチンとの違いは何かあるのでしょうか。

今日本で接種されているファイザーワクチンやモデルナワクチンはmRNAワクチンという「ウイルスのたんぱく質の元になる遺伝子情報」の一部をワクチンとして接種します。ノババックスワクチンは組み換えタンパクワクチンという「大腸菌などに作らせたウイルスのタンパク質」の一部をワクチンとして接種します。この組み換えタンパクワクチンはB型肝炎、海外ではインフルエンザなどのワクチンに使われていて、過去の実績もあるので安全性が高く副反応も少ないとみられます。

接種方法はファイザーと同じ3週間間隔で2回接種となります。対象年齢は18歳以上とのことです。

保管温度はアストロゼネカワクチンと同じ2~8度で、武田製薬工業がノババック社に技術移管を受けて日本で製造しているので、とても流通管理がしやすくなっていると思われます。ノババック社のワクチンは3回目の接種への使用も視野に入れて開発しているので、今後ブレイクスルー感染を防ぐものになるかと思います。

5月下旬から自治体へのワクチン配送を始める見通しで、早ければ同月中にも接種が始まりそうです。

ノババッグスワクチンの特徴

・接種方法 3週間間隔で2回接種(3回目は2回目接種後、6ヶ月以降の接種)※未接種者だけでなく追加接種にも使える見通し

・ノババッグス社より技術移管を受けて武田製薬工業が国内で生産している。(約1年で1億5000万回分の供給契約を締結)

・安全性は高く、副反応も少ない(組み替えタンパクワクチンの過去実績から考えると)

ノババッグス社に関して

ノババックスは、臨床段階の米国バイオ医薬品企業です。組換えナノ粒子ワクチンおよび抗原性補強剤の発見、開発、商業化に従事しています。呼吸器合胞体ウイルス、季節性インフルエンザと新型インフルエンザのための臨床開発などの感染症に対象を当て遺伝子組み換えによるワクチンを開発しています。

ノババックス社の遺伝子組換え技術プラットフォームは、遺伝子工学の力とスピードを組み合わせ、グローバルヘルスに関する緊急のニーズに対応するために設計された免疫原性の高いナノ粒子を効率的に製造しています。ノババックス社は、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2に対するワクチン候補NVX-CoV2373の後期臨床試験を行っています。また、4価インフルエンザ・ナノ粒子ワクチンであるNanoFlu™は、高齢者を対象とした主要な第III相臨床試験において、すべての主要評価項目を達成したため、規制当局への申請を行う予定です。いずれのワクチン候補も、ノババックス社独自のサポニンベースのMatrix-M™アジュバントを配合しており、免疫応答を高め、高度な中和抗体を誘導します。

ノババッグワクチンの他社との違い

コロナワクチンの3回目接種が進んでいる中、なぜこのタイミングで新たなワクチンが導入されるのでしょうか。国内生産という面もそうなのですが、調べてみると、それ以外も利点が多いようです。

ノババッグのワクチンは遺伝子組換えタンパク質ナノ粒子技術を用いており、米国で実施した後期臨床試験の結果では、2回接種後(1回目から21日後に接種)の感染を防ぐ効果は90%中程度以上の症状への進行を防ぐ効果は100%とのデータが示されています。

また、有効性の面で(ウイルスの遺伝情報の一部を注射する)米モデルナやファイザー製の「mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン」と同程度とみられる一方、「(抗原となる)新型コロナウイルスの一部のタンパク質を投与することで免疫反応を促す」という従来からある技術を用いていることから、mRNAワクチンに抵抗感がある人にも受け入れられやすいと考えられています。

そのほか、超低温冷凍が必要なファイザーとモデルナのワクチンとは異なり、通常の冷蔵保存の温度で保管・輸送することが可能であることも、ノババックス製ワクチンの利点のひとつとなっていると思われます。

まとめ

日本のコロナワクチン接種状況は2022年4月17日時点で2回接種を完了した人の割合は総人口の79.9%となっています。今回新たに承認されたノババッグスワクチンが接種率の向上に繋がる一手になればいいなと感じます。ワクチン接種は強制ではないですが、副反応や感染後の重症化のリスクなどを考え、接種する人が増えればいいなと個人的には考えます。