リーバイスが作り上げたディテール
リーバイスに関して年代の違いや価値など詳細に触れてきました。ここでは改めてリーバイスが作り上げた今も活きているディテールに関してご紹介していきます。
インディゴ染め
今や当たり前となっているジーンズの色。ジーンズはなぜ青いのでしょうか。今や当たり前のように染められている「インディゴ染め」ですが、もちろんそれを使ったのにもストーリーがあります。実は、当時の労働者のニーズを叶えるべくインディゴが採用されていたのです。インディゴには虫除け、ヘビ除けといった効用があると考えられており、屋外で働く労働者にとってインディゴ染めされた作業着は非常に重宝されていました。ただし、実際のところインディゴにはそのような効用が無いことが現代になって科学的に証明されています。なぜ、当時そのようなことが言われていたのか、当時効用があったようにみな感じていたのでしょうか。
リベット
当時、仕立て屋として取引していたJacob Davis(ヤコブ・デイビス)氏の協力のもと、ポケットの補強を行うためにリベットを使用するというアイデアを生み出したのもリーバイスです。1873年5月20日に「衣料品のポケットの補強にリベットを使用する方法」に関する特許を、特許番号#139,121にて取得しています。
ポケット
リーバイスのジーンズには、作業効率を高めるためのポケットが元々備わっていたと言われています。今となっては馴染み深い「5ポケット」という言葉も、リーバイスがジーンズとして商標登録した時代には既に完成していました。商標登録が行われる以前に遡ると、実はバックポケットが片方のみに付いたジーンズも存在しています。古着屋等を探してもほとんど見る機会無い商品です。
パッチ
リーバイスにはその代表的なアイコンとして、その丈夫さを表すダブルホースマークが描かれたパッチが後ろウエストに施されています。今となっては当たり前になっている絵柄と素材ですが、実はこのパッチの素材や色は様々なものがあり、60年代後半の501には紙パッチを使用するなど、年代によって様々です。リーバイスがジーンズにダブルホースロゴを付けはじめたのが1886年といわれています。このマークは「二匹の馬に引っ張られても裂けないほど丈夫なジーンズ」というコンセプトが表現されたものです。有名なお話です。災害などにより正確な記録は残っていないのですが、このマークが生まれた経緯は、1890年にリベットの特許が無くなることでポケットを補強した同じ製品が他ブランドも出し始める恐れがあり、他との差別化を図るためだという説があります。そして労働者を始めとする消費者は、英語を話す人間だけではないという考慮から、一目見ればリーバイスのジーンズだと認識できるシンボルマークが必要だという結論に至り、このマークが誕生したという説が有力な情報として存在しています。
タブ
リーバイスと言えば後ろバックポケットに挟まれたタブも印象的です。このディテールにこだわりを持つファンも多く、このデザインの違いでヴィンテージの年代を見極めることもできます。タブの色にも違いがあり、リーバイス商品に一般的に使われているのは赤タブになります。赤タブの廉価版と言われているのはオレンジタブです。黒や白のものはシーズン限定や、デニム以外の素材に使用されています。他には、シルバータブというデザインが多いラインも存在しています。シルバータブはヨーロッパ企画として発売されたという説があり、当時のヨーロッパの若者を中心に爆発的な人気を得たラインです。
アーキュエットステッチ
弓を引く形に似ていることから「アーキュエットステッチ(arcuate stitch)」と呼ばれている、リーバイスのバックポケットに施された飾りのステッチもこだわりのディテールの一つでしょう。1873年にポケット裏の補強布を留めるために使われはじめたのですが、模造を防ぐ目的で1943年に商標権を取得しています。以前、このデザインに関してエドウィンと裁判を起こしています。意外と気づかないこだわりの一つですよね。
まとめ
今回、リーバイスのこだわりのディテールについてみてきました。今やジーンズと言えばこんな形でこんな素材と思い浮かべられるほど一般的になっていますが、リーバイスはそのジーンズにも色々なこだわりを持って作っていました。逆に言えば、リーバイスの商品でもこのディテールがないものは偽物の可能性も出てきますね。改めてお持ちのリーバイスを見直してみてもいいのではないでしょうか。
最近のコメント