【来年をいい年に】縁起担ぎ!やるべき年末年始のしきたりとは

昔から年末年始に行われていた「しきたり」や「風習」が多くあります。最近ではなかなかできなかったり、やらなかったりすることもあるとは思いますが、昔からずっとそれが残るということは縁起を担ぐ意味も込めていたりするのではないでしょうか。

今回改めてそんな「しきたり」や「風習」を調べ直してみようと思います。

大掃除

大掃除は年末のやるべきことリストに必ずと言っていいほどあると思います。大掃除の由来を調べてみると、神棚や仏壇の煤(すす)を落として年神様やご先祖様をお迎えする準備を整える「煤払い(すすばらい)」だと言われています。たくさんの福を授かりますようにという願いを込めて、1年の汚れを払い清めました。現代でも社寺では「煤払い行事」が残っていますよね。

神様をお迎えする正月は、一年で最も大切な節目かと思います。大切な日は家の隅々まできれいに掃除をし、心身共に清らかな状態で迎えたいという気持ちの現れでもあります。

年越しそば

これも大晦日の恒例行事になっているかと思います。最近はテレビCMなどでも扱われていますよね。有名な意味合いで、そばを食べるという風習には、「細く長生きできますように」という長寿の願いが込められています

昔からそばは比較的雨風に強く、日光を浴びることで再び伸びあがるという性質があることからも、健康長寿の縁起物として扱われていました。また、麺が切れやすいことから「厄が切れる」「借金が切れる」というようなゲン担ぎの意味もあったようです。

さらに、昔の金銀細工師が、作業中に散らかった金銀の粉を集めるためにそば粉を使っていたことから「金運が上がる」という言い伝えにあやかってそばを食べる風習が根付いたとも言われています。

そばって色々な意味合いがあったんですね。

門松

最近では見る家も少なくなってきたように思える門松なのですが、ここで今一度その風習を調べ直してみると、

門松は、年神様が迷わず来られるようにと目印として立てるものです。天に向かってまっすぐに伸びる「竹」、一年を通して青い葉を茂らせる「松」、そして新春に香り高い花を咲かせる「梅」が使われます。現代ではマンションの玄関扉にリース型の正月飾りを飾るという家庭は見るようになりました。飾った後、大切なのは飾る期間です。

12月31日に飾るのは「一夜飾り」、12月29日に飾るのは「苦立て」と言われて忌避されます。早すぎず遅すぎず、最も良いとされるのは12月28日頃です。期間には要注意ですね。

また、年が明けてからいつまでも飾っておくのも良くありません。門松を飾っておく期間は年神様がいる期間であり、一般的には1月7日までとされています。これを「松の内」と呼び、年始の挨拶や年賀状のやりとりもこの期間中に済ませることとなっています。

しめ縄

しめ縄は、年神様をお迎えする神聖な場所を示す飾りです。前述した門松と同じような意味合いがありますね。しめ縄は玄関や神棚、床の間などに飾ります。

縄で結界を作る風習は、日本神話に出てくる天照大神の岩屋戸伝説に由来すると言われています。神社などによくみられるようにも思います。世界を照らす天照大神が二度と岩屋戸に隠れないように縄を張ったというものです。飾る期間も門松と同じで年末から1月7日までの期間に飾ります。

鏡餅

門松やしめ縄と絡んでくるのですが、門松やしめ縄に導かれて各家庭に訪れた年神様は神棚に置かれた鏡餅に宿る、と言われています。つまり、鏡餅は年神様の依り代であり、居場所ということです。

多くの場合、三方と呼ばれるお供え用の器に丸い形をした餅を二段重ね、上にダイダイの実を乗せます。紅白の和紙で作られた紙垂(しで)やユズリハ、海老や昆布などの縁起物で飾り付けることもあります。

一般的に想像できる鏡餅の形ですよね。

鏡餅は床の間や神棚に飾りますが、ふさわしい場所がない場合はリビングなどの家族が集まる場所の一角、清潔にした場所にお供えします。人が見下ろす高さではなく、できるだけ明るく高い場所に飾りましょう。小さいものをいくつか飾っても構いません。

おせち

漢字では「お節」と書くのですが、もともとは季節の節目にいただく節供の料理を指しました。その後、一年で最も大きな節目であるお正月に、神様にお供えする縁起物としての料理として定着したそうです。おせち料理にはそれぞれ五穀豊穣や家内安全、健康長寿などの願いが込められています。

数の子:たくさんの卵が集まっていることから「子孫繁栄」

黒豆:まめに働き、まめに暮らせるように

かまぼこ:日の出を表す半月型とおめでたい紅白の色

昆布巻き:喜ぶの「こぶ」にかけた縁起担ぎ

れんこん:たくさんの穴から将来を見通せるように

海老:腰が曲がるまで長生きできるように

これらの料理を入れる「重箱」にも「福が重なる」といった意味合いがあります。また、おせち料理は大晦日に作っておけば数日間日持ちすることから、正月の数日間はかまどの神様を休ませ、主に料理を担った女性たちも体を休ませられるようにという配慮もありました

七草粥

古代中国では、元日を鶏、2日を犬、3日を猪、4日を羊、5日を牛、6日を馬、7日を人の日としてそれぞれの占いを立てており、1月7日は「人日(じんじつ)の節句」と呼んでいました。人日の日には7種類の若菜を入れた汁物を食べ、無病息災を祈る風習がありました。奈良時代にこの風習が日本に伝わり、春に芽吹く7種類の若菜を使った粥を食べるようになりました。

春の七草とは

  • せり
  • なずな
  • ごぎょう
  • はこべら
  • ほとけのざ
  • すずな
  • すずしろ

の7種です。

これらでなくても、ネギやホウレン草など7種類の野菜を使った汁物を食べることで、自然から生命力をいただくという古代の風習には沿っています。

また、「春の七草」に対して「秋の七草」というものもあります。内容はまた別の機会でご紹介させていただきます。

まとめ

新しい年を迎える前の年末から年始にかけて非常に多くの「風習」がありました。今回ご紹介したのは一部ですが、特に聞き覚え、見覚えがある「風習」だと思います。どれも昔からあるもので今では少し形が変わったものもありますが、いずれも「健康で長生きできますように」だったり「家族の平和」を願うもののように思います。今こそ改めて見直し、今年の年末から行ってみてもいいのではないでしょうか。